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『1.blue devils (憂鬱)』
憂鬱だ。
とにかく憂鬱だ。
『………』
『どうしたん?』
頬杖をついた俺に修が話しかけて来る。
窓の外に眼を向けたままの俺に修はイライラしたように言う。
『なぁ?どうしたんだよ。シカトですか。』
『…気分悪いだけだよ』
嘘ではなかった。
とにかく憂鬱だ。
この気分が何故なのかもわからない。
それがまた憂鬱になる。
のびた爪をいじりながら、溜め息をついた。
『…早退しようかな…』
『ハァ!?そんなに気分悪いのか!?』
どうやら修は本気で、気分が悪いと思ってるらしい。
間違えては無いけど…サ…。
『早退するなら俺も早退するよ!』
『…っせーな。おまえは単なるサボりだろうが』
バッグに荷物を詰めながら、修に文句をいう。…ああ、しんどい。
『…じゃ、俺帰るから』
『…え~』
修が拗ねてるところを他の友達が寄ってくる。
『護帰るの!?』
『え~…サボりかよ~』
『ハァ~…ちっげーよ。気分悪いんだよ』
そうとだけ言い残して、教室をあとにする。
―帰ろうかな…
でも家に帰ったってやる事無いし…
公園にでもいくか…
学校から五分ぐらい歩けば、駅があって、その駅から北方向へふたついけば、大きな公園がある。
晴れ渡った空は、めまいがするほど青かった。
つくづく、私服校でよかったとおもう。
ベンチに座ってぼうっとする。
この明るさがまた憂鬱だ。うざい。
もともと光に弱いものだから、こんな日に外に出るなんて俺にとっては非常識だ。
噴水の水しぶきは太陽の光をうけてキラキラと輝いていた。
噴水の水をみていると、昔海で溺れた事を思い出したり、打ち水をすると2℃温度が低下することを思い出した。
俺は思うのだが、こんなことに税金を使うなら、貧しい国になにかを寄付したほうがいいとおもう。
まぁ日本はただでさえ赤字なんだから、こんなことに金使うなよってな。
まぁ、どうでもいいか。
噴水をはさんで向かいのベンチに座るくたびれたスーツをきたサラリーマンを見て、俺もああなるのか、と冷めた気分になる。
大体、なりたい夢を叶える人っていうのは100人中5人ぐらいしかいないと俺は思う。
俺はその5人に入れるのかと思うと、また憂鬱になる。
―ああ、やめた。
なんか考えても意味がない。
まぶしい空に手をかざす。
指の隙間からはいってくる微かな光が、まぶしくて、うざくて、少しすがすがしかった。
―ああ…憂鬱な日って…小さなことでも大きく見えるのかもしれない…―
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