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「夢見て悪い?」 「ええんじゃないか?」
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部屋に続く廊下は花の香りがした。
膝からしたたり落ちる血は、絨毯へとしみこんでゆく。
またおばあさまに叱られて、いぢわるをされるかもしれぬ・・・。
膝を引きずり歩いているとラドゥがいた。
「わっ・・・・イオン!!」
「・・・・なんじゃラドゥ。」
「『なんじゃラドゥ。』!?ふざけるんじゃない!!なんだよこの血!!」
「・・・ケチャップじゃ」
「嘘をつくな!」
ラドゥは余の膝をかがんで見る。
「ああ・・・・ガラスがささってる。」
「・・・。」
「どうすればこんな傷をつくるんだ?」
それは心配の意をこめての言葉でもあった。
「別に何もしておらぬ。」
「嘘つけ!こんな傷、ただ歩いてるだけじゃできない!!」
素早く手でガラスを抜き取りながらラドゥは怒った。
「余は大丈夫じゃ。心配するな。それよりラドゥ」
「『それより』!?」
「汝、手が切れておるぞ」
「あ」
抜き取ったガラスを握ったのか、血がにじんでいる。
まったく馬鹿よな。
「汝こそ、大事ないか?」
「ああ、私は大丈夫だよ。それよりイオン、血を洗おう」
「汝もな」
水で血を洗い流して、ふとラドゥは呟いた。
「血を吸われるのってどんな気分なんだろう」
「短生種のことか?」
「ああ。私達長生種は短生種の血を飲むが、短生種は飲まないだろう?」
「そうじゃな。」
「私は長生種に生まれて後悔はしてないが、短生種の血を飲むことを酷く忌々しく思うんだ」
「成程な。しかしラドゥ、我々は短生種の血がなければ飢える。そうすればきっと共殺しになってしまう。」
「・・・ああ。」
「ならば短生種の血を飲むのが正しいんではないか?元々そういう生き物なのだから」
「・・・。」
「ま、深く考えるな。考えたって何も変わらない。」
「そうだな」
傷口を押さえたタオルが赤く滲む。

「あ。」
「なんだい?」
「ラドゥ」
「?」
「余と汝は、同生種で、それは血で繋がっておるからな!」
「ああ。」
「長生種は短生種と違って永く生きられるから・・・じゃから、ずっと一緒じゃぞ!」
「・・・・プッ。」
「何を笑う!?」
「いや・・・・幼い頃の君を思い出しただけだよ
青い海を見つめる
まだ血が血になりきってない君を。」

光を受けて、青になった 汝を。
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神夜 美月
性別:
女性
趣味:
ネット/カラオケ/絵描き/買い物
自己紹介:
神夜美月(かんやみつき)
生態地区⇒福岡のはしっこ(藁

血⇒B型

好⇒Gackt/L'Arc~en~Ciel/hyde/T.M.Revolution/九条キヨ先生の漫画

嫌⇒ギャル文字

とにかくヒマジンです。
CURURUからこちらに移したため、まだ使い方がよくわかりませぬ!
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